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#2008.06.12 Thursday ... Tsubomi「1−12。」

仕事がクビをなってから今まで以上にサエといる時間が多くなった角三の話し相手はもっぱら免許証のサエ。

いつか逢える。きっといつか逢える。財布を拾った時に感じた運命を忘れられない角三はどんどんエロ本で鍛えた妄想力を遺憾なく発揮する。
世間はクリスマス一色に染まってるのにも関わらず角三の頭の中は全くそんな事は気にしていなかった。クリスマスよりサエ一色だ。そんなある日の夕方、角三はいつものようにエロ本を買いに行こうとしたがさすがに行き付けの本屋の為、そこのエロ本には飽きてきていた。
そこで今日はちょっと遠出をしてみようと思い電車で青梅線の拝島駅へ。
拝島駅前にある本屋さんへ入り一目散にエロ本コーナーへ向かう。しかし期待とは裏腹に行き付けの本屋とはさほど品揃えは変わらなかった。

(まぁ秋川と拝島は電車で15分だからあんま変わるわけないか。)

ということでさらに電車で15分の立川駅へ。そして駅ビルの地下にある本屋に向かった。一目散にエロ本コーナー。


変わらない…。

(30分電車に乗ってんのになんで品揃えが変わらねぇんだよ!おかしいだろ!)

だんだん頭に血がのぼってきた角三は危うく店員に文句を言おうとした所でなんとか思い止まり考えを巡らす。


(あーどうすっかな?こうなったら新宿までいっちまうか!でもエロ本買うだけで一時間半かけるのもなぁ…よし!とりあえずビール飲も!)


頭の中はサエとエロ本とビール。
平松愛理も歌いこなせない。
駅から徒歩五分、タイムサービス5時〜7時まで生ビール、サワー半額の看板を見つけた角三は早速突入!
駆けつけ生ビール4杯、そしてウーロンハイ3杯。6時にはかなりいい感じに出来上がった角三の頭の中はヒャクパー新宿に向かっていた。
立川を出た角三は通常より500円高い別料金で乗れる特急かいじに乗り特急角三に変身し新宿に向かう。
とにかく一刻も早く新宿に行きエロ本を買いたいのだ。特急角三で約20分、新宿に到着、角三はこんなにも20分を長く感じたことはなかった。降りるやいなや競歩の選手よろしく人並みを追い越し南口にある大きな書店へ。
一心不乱にエロ本コーナーへ。



(………。)


呆然とする角三。


(変わらない…こんな事ってあるのか…。)


なんと近所の行き付け本屋のエロ本の品揃えと何ら変わりはなかった。角三は怒りを通り越し呆れかえってしまっていた。

(マジか…500円まで払って特急乗ったのにな…。)

うなだれる角三。行きの競歩はどこへやら。とぼとぼとうつむき店を出る角三。クリスマスに彩る夜の街を35歳の無職が1人寂しく徘徊する。
こんな寂しい光景は希だ。角三は近くのコンビニに入り缶ビールを一本買う。そして近くのベンチに座りながらチビチビなめる。
相当なショックだった角三は半分放心状態。


(はぁ〜1時間半かけて来たのに…エロ本の種類は変わらないとは…。もう生きていく意味がわからないや…。)

ふと顔を上げると目の前にはたくさんの行き交う楽しげな恋人達、燦々と輝くイルミネーション。エロ本しか頭になかった角三は初めてその日クリスマスだった事に気付く。

(今日はクリスマスかぁ俺も小さい頃は枕元に靴下置いてたな…お父さんが買ってきてくれたケーキ美味しかったなぁ…)

珍しく感傷的になる角三。そんな気持ちを嘲笑うかのように目の前を行き交う幸せそうなカップルや7色に輝くイルミネーション。


(自業自得だ!お前が悪いんだ!仕事もしないで酒飲んでエロ本読んでなんて生活してる35歳が幸せなクリスマスを過ごせる筈がねぇだろ!ちょっとは考えろ!このエロオヤジ!恥ずかしくねぇのかこのエロガッパ!エロスットコドッコイ!エロ口角泡野郎!エロ特急かいじ!)

どこからか聞こえてくるそんな声。通りすぎる人達や街の景色がみな角三に向かってそう言っているようだ。
何故か勝手にだんだんとイライラしだしてきた角三。


(違う!俺は悪くねぇ。俺は全く悪くねぇ!回りが悪いんだ!全て回りが悪いんだ!)

その時、角三の事をじーっと見つめる視線と目があった。

(なんだあいつ!さっきから人の事じろじろ見やがって!バカにしてるのか?完全に俺の事を見下してやがるな。悪いか?クリスマスの夜に1人で缶ビール飲んじゃ!チキショー!いつまでも見てんじゃねー!このクソヤロー!!)

角三が投げつけた缶ビールは見事に相手の目に命中した。
その衝撃で相手の輝く目がポトリと落ちた。突然発狂し雪だるまのイルミネーションに向かって缶ビールを投げつけた中年に周りの人は危険を感じ離れていく。角三はフラフラと立ち上がり帰路につく。帰りは快速。気が付くと夜中の1時。高尾駅。なん往復したのかわからない位眠っていた。世間はカップル達が愛を確かめあっている中、角三は1人深夜の高尾駅でエロ本の有無を確かめていた。


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